松阪興産株式会社 農業事業部 松阪興産株式会社 農業事業部 三重から見える安全野菜ミえベジ ミえベジ(ミエベジ)

地域の現状

松阪興産株式会社は、平成23年7月1日農業事業分野に参入しました。
農業事業の活動拠点である松阪市の農業の現状を見てみましょう。

農業産出額の減少

松阪市とその周辺の市町村は、伊勢平野の中間に位置し、気候温暖で恵まれた地域です。水稲を中心とした農業が営まれていますが、松阪を中心に松阪牛の肥育も行われているほか、伊勢茶の産地でもあります。 長年にわたり就労機会にも比較的恵まれ安定的な兼業農業が主流を占めてきましたが、近年急速に農業離れが進んでいます。

農業の高齢化が著しく進んだこと、基幹作物であるお米の価格低迷、設備投資負担の増大などが要因として挙げられますが、こうした状況は特産物である茶、畜産にもいえます。 近年中山間地だけでなく平地においても耕作を放棄した圃場が目立つようになってきました。中山間地では、猪、猿、鹿などによる獣害も農業生産の持続を困難にしています。

お米の生産現場

平地を中心に基盤整備がなされた地域でも、農業の担い手は急速に減少し、集落内の農地の大半を集落外の大型農家に管理委託するケースが増えています。稲作は水路の管理、畦畔・農道の草管理など、集落機能を発揮することで、生産を維持してきた特徴を持っていますが、こうした作業は大型の担い手だけではフォローし切れません。地区外の担い手が複数「入作者」となることで、農地管理をめぐり地域との調整が困難となり、新たな問題となってきています。
大型農家自身も多大の設備投資が必要なことから、麦・大豆作付けによる補助金、個別保障制度に頼って経営を維持する傾向が強く、大型農家自身高齢化によって離農するケースも増えています。

担い手農家に農地が集約化され、コスト削減を実現していくことは必要なことですが、集落機能と担い手農家の協力による、持続的な農業生産体制を作り上げることが重要です。
基盤整備がなされていない地域の水稲作は一層深刻です。担い手農家も農地の受託を敬遠し、高齢者がかろうじて、農地を守ってきましたが、それも限界となり、急速に農地が荒廃化しつつあります。獣害による被害がそうした動きにさらに拍車をかけています。(最近、獣害フェンスを集落ぐるみで設置する動きも増えています)

畑、果樹園等の現状

畑、果樹園等の作物には、水稲のような補助制度がありませんから状況は深刻です。田は預かってもらえても畑は希望者がなく、荒廃の危機に瀕しています。

畜産、野菜等

畜産の担い手も乳牛を中心に減少しましたが、肉牛は、「松阪牛」のブランド力により、現象に歯止めがかかり、大型法人化が進んでいます。野菜は比較的軽作業であり、設備投資が少ないことから、農産物直売市場への出荷など小規模多品目生産の農業が元気を取り戻しています。